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2016 年度 実施状況報告書

環境汚染動態調査に向けた133/135/137CsのICP-MS同時測定技術確立

研究課題

研究課題/領域番号 16K12593
研究機関東京大学

研究代表者

田野井 慶太朗  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (90361576)

研究分担者 二瓶 直登  東京大学, 大学院農学生命科学研究科(農学部), 准教授 (50504065)
研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード放射性セシウムのICP-MS測定
研究実績の概要

本研究は東京電力福島第一原子力発電所事故により広域に飛散した放射性物質環境汚染について放射性セシウムに着目し,今後の農地,森林環境における放射性セシウム(135Cs, 137Cs)の挙動を,土壌中に存在する安定同位体セシウム(133Cs)と比較解析するために,放射性Csおよび安定同位体Csを簡便かつ短時間で同時測定・解析する手法を確立するものである。測定はICP-MSを中核としたフローインジェクションシステムであり,多段階の異なる分離濃縮機構のシームレス融合(固相抽出-高効率試料導入法-リアクション同重体分離-四重極質量分離)により,超高感度な133Cs/135Cs/137Csの同時定量を新規実現させる。
本年度は、測定系の環境整備を行った。すなわち、ICPMSにおいて高感度かつコンタミネーションをなくすためのクリーンブースを設置した。また、さまざまなサンプルのCs濃度を測定するためのサンプルを主に福島県内の畑より採取する見通しをたて、さらには農地を借りて栽培試験も実施する目処を立てた。栽培試験としては、イネよりもCsの移行係数が高くなりそうなダイズなどのマメ科を主とすることとした。特に落花生はダイズに似た作物であるが、実が土壌中に存在するめずらしい作物である。土壌が汚染されている場合の落花生可食部へのCs移行について研究するための試験栽培などを実施した。
ICPMSの試行としては、Cs-133の測定を行い、天然のCs-133濃度の範囲について把握した。その結果、一部のイネでは検出限界濃度であったことなどが判明し、今後のサンプルの方法や量などについて見通しを立てる事が出来た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

分析システムの構築には高感度化が欠かせないが、その根幹を本年度で整備できたことから、ほぼ順調に進んでいると言える。

今後の研究の推進方策

今後、実際の圃場サンプルにおいて硝酸分解を行い、まずはCs-133を、続いてCs-133/Cs-135/Cs-137の同時測定を目指す。

次年度使用額が生じた理由

一部のサンプル測定ができずに、消耗品代用として残高が残った。

次年度使用額の使用計画

当該サンプル測定に消耗品代として使用を計画している。

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公開日: 2018-01-16  

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