研究課題
本研究では、ニワトリDT40細胞を用いて、人工的損傷を導入した合成オリゴDNAを用いて染色体(プラスミドではない)に損傷を入れた後の、複製をモニターし、どのように複製後のプロダクトが変異するのかを調べるためのアッセイ法を作成した。これまでに、DT40での導入に成功しており、H29年度にはヒト細胞においてさらに以下の成果を上げた。(1)ヒト細胞において様々な損傷乗り越えやその他のポリメラーゼの変異体を作成した。これまでに、点変異体としてPolε(校正エキソヌクレアーゼ活性変異)、Polδ(校正エキソヌクレアーゼ活性変異)の2細胞、遺伝子破壊細胞として、Polι、Polη、Polλ、Polκ、Polβ、PolQ、REV3やこれらの多重欠損などを作成した。(2)主要な損傷乗り越えポリメラーゼのPolι、Polη、Polκ、の各種DNA損傷での役割分担やRev3との関係について解析し、損傷ごとに役割があるものの、ある程度相補性があることを見出した。(3)複製ポリメラーゼδやεの校正エキソヌクレーゼ活性を変異で潰した細胞を作成し、複製ポリメラーゼδの校正エキソヌクレーゼ活性は生存に必須であることや、複製ポリメラーゼεの校正エキソヌクレーゼ活性はチェーンタミネーター活性を有するヌクレオチドアナログやカンプトテシンへの抵抗性に必要であることを見出した。H30年度には、前年度までに作成した人工損傷導入オリゴを用いた損傷乗り越え研究の結果を論文にまとめるとともに、上記(1)~(3)の分子機構をさらに検討する。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 5件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 3件、 招待講演 3件)
PLoS One
巻: 13(2) ページ: e0192421
10.1371/journal.pone.0192421.
Genes Dev
巻: 31(21) ページ: 2136-2150
10.1101/gad.306084.117.
巻: 12(11) ページ: e0188320
10.1371/journal.pone.0188320.
Nucleic Acids Res
巻: 45(16) ページ: 9361-9371
10.1093/nar/gkx555.
Genes Genet Syst
巻: Epub ahead of print ページ: -
10.1266/ggs.17-00018.
Oncotarget
巻: 8(20) ページ: 33457-33474
10.18632/oncotarget.16508.
Nucleic Acids Res.
巻: 45(8) ページ: 4550-4563
10.1093/nar/gkx096.