本研究は、細胞内酸化ラジカル反応により生成する酸化損傷塩基8-hydroxy-deoxyguanosine(以下、8OHdG)に関し、どのような環境で、どれくらい生成し、自然突然変異率にどのように影響を及ぼすのか、さらに抑制機構はどのような仕組みなのか、を明らかにし、8OHdGの生物に与える影響について解析した。その結果、多くの細菌が至適培養温度より低い温度で培養すると、8OHdGが染色体DNA中に顕著に蓄積すること、特に絶対嫌気性菌においては酸素無添加培養時においても同様であったこと、好熱菌より常温菌、さらに低温細菌の方が8OHdGの蓄積量増大に対する抑制機構が優れていることが示唆された。
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