汚染土壌から放射性Csを効率的に除染する方法として、電界中で土壌を加熱する手法について検討した。塩化セシウム(CsCl)を電界強度670 V/m以上で加熱すると、融点より200℃低い温度でCs+イオンが脱離することを見出した。また粘土鉱物にCsを吸着させた試料について電界中で加熱すると、Csだけが選択的にCs+として脱離することがわかった。460℃で2時間加熱した後の残渣を定量分析した結果、加熱前に比べて、Csの含有量は約13%減少した。以上の結果から、電界中で加熱することによって、粘土鉱物からCsの一部を低温でCs+イオンとして選択的に脱離させることができることを明らかにした。
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