Pdを溶解したDMSO溶媒系とクエン酸水溶液を用いることで、パラジウムマイクロ粒子を製造できることを見出した。また、ASEMを用いることでパラジウムが液相還元により溶液中で析出する様子をその場観察することに成功した。 溶解実験ではCuCl2およびNaClを溶解したDMSOを用いてPdを液中に溶解できることが確認されたこのときの溶解速度は最大で5.57 mg cm-2 h-1であり、Cl-イオン濃度を増加させることで溶解速度が向上することが確認された。さらに、このPd溶解DMSOにクエン酸水溶液を3倍量添加することで、溶解したPdをマイクロ粒子として回収でき、クエン酸濃度を調整することで多角形状および球状の形状制御ができることが見出された。これは、クエン酸が核成長過程で粒子表面に吸着し保護剤として粒子同士の合体を緩和したためであると考えられる。 ASEMによる液中観察では、粒子の成長が25分以内に終了していることと、粒子が液中で珊瑚状の構造体を形成していることが示唆される結果が得られた。また、乾燥後の粒子のSEM像との比較により、液中で珊瑚状の構造体を形成している粒子が、乾燥過程において粒へと変形していることが示唆された。
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