平成28年度は、水中病原ウイルスの感染性を評価するための新規手法を開発するために、ウイルス感染初期に発現する細胞応答に着目した。その結果、本研究で試験したウイルス濃度の範囲内であれば、サンプル接種後12時間以内に感染性エンテロウイルス71型(EV71)を検出することが可能であった。平成29年度には、感染性ウイルスの早期検出に与えるウイルス多重感染の影響を評価した。その結果、EV71の増殖によりアデノウイルス40型の検出が阻害されることが示された。以上の結果から、水サンプル中に複数種のウイルスが存在する場合には、特にエンテロウイルスについて増殖を抑制させることが必要であると考えられた。
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