進行波型のイオン移動度測定により、微量な未知環境汚染物質の二次元構造を推定する技術を開発した。測定されたイオン移動度から求めた未知物質の衝突断面積(collision cross section, CCS)が、仮定した構造に基づいて推算したCCSと一致した場合に、その仮定が正しいとして構造を推定した。環式有機化合物および殺虫剤ジノテフランをモデル物質として、実測結果と推算結果が一致することを確認した。次に、開発した方法を、ジノテフランの未知環境変化体に適用したが、仮定した複数の異性体の推算CCS値に有意差が認められなかった。そこで、誘導体化したところ、2つの異性体以外の区別に成功した。
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