研究課題/領域番号 |
16K12638
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
小柳 充 新潟大学, 農学部, 技術職員 (70401734)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | トキ / 鳥インフルエンザウィルス / モニタリング / 風評被害 / AIV-RNA |
研究実績の概要 |
本研究は、佐渡島内および新潟市近郊における野鳥の鳥インフルエンザウィルス(AIV)のサーベイを実施し、風評被害を発生させないAIVのモニタリングシステムの構築である。従来のウィルスの分離及び増殖させる操作は実施しない。RNAは野鳥の組織(気管、腸管、糞)から分離し、プライマーは抗原亜系に関係なく幅広くAIV-RNAを検出できるM蛋白質をコードする遺伝子をデザインした。RT反応のプライマー(Uni 12 5’-AGCRAAAGCAGG- 3’)を使用した。Uni 12プライマーを用いることでAIVを構成している8セグメントのAIV-RNA遺伝子の全てのcDNA合成が出来、様々な亜型を同定する事が可能である。 平成28年11月29、30日と新潟県内の養鶏場2ヵ所から高病原性AIVの感染が確認され、50万羽を超える鶏が殺処分された。TVなどで報道が過熱した。海外ではAIVがヒトに感染する事例があり、県民が鶏卵や鶏肉からAIVが感染するのではないかとパニックに陥った。申請者は直ちに、TV(UX21)に生出演しAIVについての正確な情報を提供すると共に、国内に流通している鶏卵や鶏肉は食しても安全であることを伝え風評防止に努めた。 また、新潟市近郊では連続してハクチョウ十数羽の死亡個体から高病原性AIVが検出された。これは新潟市近郊で、「餌付け行為による野鳥同士の濃密な接触行為の結果」と考え、関係者に一時的に餌付けの中止を具申し、その後ハクチョウの死亡は報告されなくなった。 モニタリングの結果は、PCR産物からAIVの有無を判定した。平成28年12月11日佐渡島内のトキの採餌行動をする地域のコガモの組織および12月21日新潟市近郊の野鳥の糞からAIV-RNAのPCR産物が検出された。ウィルス量はいずれも極微量であった。検出後直ちに、県内のトキ放鳥関係者やAIV防疫に関わる関係者に通報した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今シーズンは11月期からAIV流行リスクの高い状態が続いた。トキの野生復帰などの鳥関係者にAIVのモニタリングの実施に向けた事前説明から、サンプリングやウィルスの有無の判定を申請者自ら実施している。人任せにしてしまうと、信頼性や情報漏えいなどから風評被害が発生してしまう可能性があり、それ故に迅速性が損なわれている。
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今後の研究の推進方策 |
佐渡島でトキが採餌行動をする地域での野鳥のAIVモニタリングを継続する。また、新潟市近郊には、潟が多くハクチョウやオオヒシクイなどの野鳥が飛来する。これら野鳥がどの程度AIV-RNAを保有しているか野鳥の糞からRNAを分離する。分離したRNAの全体像をイメージングし幅広くAIVを検出できるM(Matrix)遺伝子を指標として罹患率を算出する。
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次年度使用額が生じた理由 |
佐渡島や新潟市近郊で採取される野鳥の組織、保存、梱包、郵送に掛かる費用やAIV-RNA解析器具類である。
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次年度使用額の使用計画 |
佐渡や新潟市近郊で採取された野鳥の組織。その組織からAIV-RNAを分離する試薬、AIV-RNA解析費に使用する計画である。
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