研究課題/領域番号 |
16K12672
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
高安 啓介 大阪大学, 文学研究科, 准教授 (70346659)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | デザイン史 |
研究実績の概要 |
2016年10月26日から28日まで台湾の国立台湾科技大学で開催されたデザイン史デザイン学国際会議 ICDHSにおいて『The double Meaning of Modern Architecture 』のタイトルのもと日本の「近代建築」の理解の変化について考察をおこなった。この論文では、概念史研究の一環として、日本近代建築研究における「近代建築」の語の意味の移り変わりに注目した。3月1日から3月3日まではドイツのウルムにあるウルム造形大学資料室において近代デザイン教育にかかわる調査をおこなった。この作業をとおしてデザイン用語の変遷とともにデザイン理解の変遷をたどることができた。2016年度にはまた雑誌『a+a美学研究』11号(特集「デザインへの視点」)の編集にあたった。3月31日発行のこの雑誌はデザイン思想の変化をとらえる論考を多く所収している。第1章「近代工芸運動」第2章「デザインの言葉たち」第3章「デザイン教育史」第4章「デザインミュージアム」第5章「デザインの東西交流」という構成となっておりデザイン史への多角的な「視点」を提示している。高安はこの論集において「ウルム造形大学における脱バウハウス思想」を寄稿した。この論文はなにより芸術に重きをおくデザイン教育から学問に重きをおくデザイン教育への力点の変化を明らかにしておりウルムでの調査の成果を取り込んでいる。雑誌『形象』2号に所収の論文「形象としての具体詩」ではタイポグラフィにもつうじる視覚詩のありかたを解明した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大阪大学に赴任したばかりで資料などの面において新たな研究を遂行しにくかった。
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今後の研究の推進方策 |
現代デザインの傾向をとらえるには、歴史的な経緯をよく知る必要があり、昨年度からすでに着手しているが、第二次大戦後のデザインの国際情勢をとらえるような仕事も進めてゆきたい。
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次年度使用額が生じた理由 |
研究の最初の段階において予想したよりも支出が少なかったため。
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次年度使用額の使用計画 |
成果報告のための論集の発行。
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