現代の主要な分野として、環境系・社会系・情報系のデザインの言説に注目した。デザイン教育制度における教育内容の変化、デザイン評価制度における評価対象の変化、近年のAIをめぐる議論、デザインジャーナリズム、デザイン辞典などを参照した。20世紀の後半にすでに製品から情報へという力点の変化が起こっており、モノからコトへの移行もかなり前から言われてきたが、21世紀にかけての大きな変化は、個物を作り上げるより、独立した個体どうしの関係を生み出すことに力点が置かれるとともに、生産・流通・消費・廃棄といった過程そのものを考案することに意義が見出されつつある現状をとらえた。
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