前年度までの繰り返しとなるが,本研究では(1)プログラムの構造が実体化することで協調作業が可能なプログラミングツールの開発,(2)それらを用いた活動のデザイン手法の確立が目的である.プログラミングツールは初年度Plugrammingと名付けた.プログラムコマンドをブロックとして実体化し,ケーブルの連結つまりプラグイン(Plug-in)によってプログラミング(Programming)を行うことができるからである.ただし,ワークショップにおける児童の学習のためのツールであり,コンピュータシステムのための汎用的な開発言語ではない.このための機能は限定されており,プログラミングの基本的な概念である順次・分 岐・反復の3つが協調作業によって学習されることを目指している. 本研究は,平成29年度に主だった発表の機会を多く得たため,本年度の予算を繰り上げて計画を前倒しした.これによって前年度に学会発表を4回(内2つは国際学会)と論文掲載は3件(すべて査読付き採択)といった一通りの計画の達成を得ている. したがって,最終年度にあたる平成30年度は目的(2)の活動のデザイン手法の確立の考察を主として研究をすすめた.具体的にはこれまで実施したワークショップの記録をもとに,プログラミング学習におけるワークショップ・デザインをToolとActivityの2つの視点で整理して考察を行った.これによって,目的(1)による成果を用いたワークショップにおける詳細な知見を得ることが出来た.
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