| 研究課題/領域番号 |
16K12686
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| 研究機関 | 静岡大学 |
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研究代表者 |
澤渡 千枝 静岡大学, 教育学部, 教授 (70196319)
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| 研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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| キーワード | 整肌性 / ポリエステル / セルロース / ガンマ線照射 / 化学修飾 |
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| 研究実績の概要 |
「第二の皮膚」とも言われる被服の素材（線維）に整肌効果をもたらすことを目的として，ガンマ線照射を経た化学修飾とその効率化を検討した．
本計画は研究者らがこれまで行ってきた２段階に分けておこなう化学修飾の容器や方法を改良し，第一段の反応後に試料を大気に晒すことなく連続した手順で第二段の反応に進む処理手順に進めるシステムを完成することが主目的の一つである．初年度はまず，化学修飾時の条件（試薬および反応温度と時間）を変化させて，試料の損傷を最低限にとどめつつ反応効率を向上させる方法を検討した，試料には汎用繊維素材として一般的なポリエステルまたはセルロースのなかから，生分解性を示し，さらに試薬に対して損傷を受けやすいバイオマスポリエステルであるポリ-L-乳酸，およびバクテリアセルロースを用い，二重結合をもつ試薬を共存させて低線量（５ kGy）のガンマ線照射を行ったのち化学修飾によってアミノ基やカルボキシ基を導入した．官能基の導入は重量測定，フーリエ変換赤外分光/全反射法（FT-IR/ATR 法）測定により確認した．導入された官能基によって塩基性染料，酸性染料，および生体細胞の吸着性が向上することを確認した．
次年度は，反応系で試料が空気にさ触れることなく次の処理段階へ進められる真空システムを改良することによって反応効率を向上させ，化学修飾による置換度を向上させる．
これによって繊維素材に整肌性を与え，衣料による医療をめざす素材開発につなげたい．
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| 現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
初年度予定の真空ライン構築にあたって，項目２）の目的に最適なガラスパーツの調達が行えずに代替品で研究を進めたところ，結果に不満が残るため継続改良中である．また，初年度は研究代表者が管理職に従事していたため，年度後半の職務とその引き継ぎ業務のエフォートが想定以上に増大した結果，研究が一時的に停滞した．これらのため，当初の計画項目１から４までのフィードバック（第一段階の反応条件検討）が不十分となった．
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| 今後の研究の推進方策 |
H29年度前半で研究の遅れを取り戻し，真空ラインの修正および第一段階の反応条件を精査・確定する．年度中盤からはこれと並行して第二段の反応条件を検討する．年度後半からは当初の計画通りに進め得られた試料を前年度と同様の方法によって評価するとともに耐用性に関わる性質を測定・評価する．さらに健康肌での着用実験をおこない，H30年度のトラブル肌での着用実験の準備に着手する．ここまでの研究成果を学会発表と論文発表によって公表する．
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| 次年度使用額が生じた理由 |
理由１）初年度予定の真空ライン構築にあたって，研究計画の項目２）の目的に最適なガラスパーツの調達が行えずに代替品で研究を進めたため．
理由２）初年度は研究代表者が管理職に従事していたため，年度後半の職務とその引き継ぎ業務のエフォートが想定以上に増大した結果，研究が一時的に停滞した．
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| 次年度使用額の使用計画 |
年度前半で研究の遅れを取り戻し，真空ラインの修正および第一段階の反応条件を精査・確定する．
H29年度には当初の計画内容を遂行するため繰越分もあわせて予算執行する．
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