高齢化社会、単身世帯の増加する日本において、ICTやビッグデータを活用して、人々のクオリティオブライフ(QOL)の向上、医療費並びに行政コストの抑制、更には社会の活性化が益々重要となって来ている。周囲に塵埃を排出しないオリジナル高清浄環境技術(Clean Unit System Platform: CUSP)の孤立・閉鎖性を生かし、病院のリハビリ施設やトレーニングルームに導入して好適な、運動中の粉塵吸引負荷を大幅に軽減しながら二酸化炭素濃度、酸素濃度計測から得られる代謝分析を非接触・非侵襲で行えるシステムを開発した。就寝時に,微小粒子状物質(PM2.5)はもとより,細菌を含めた粒径0.5μm以上の粒子の総数を1立方フィートあたり100個程度(病院における無塵室相当)に抑えることができる。バックグラウンド粒子数が大幅に抑えられるため,睡眠中の体動に伴う塵埃数上昇を明確に検出できる。また、箱型CUSPでは、ルームランナーな器具を普段使っているまま、いつもどおり運動ができるので,極自然に代謝データ取得が可能である。代謝測定用にルームランナーを格納した箱型CUSP内でクラス100以上の高清浄度が得られた。このバックグランド塵埃数の少なさにより、測定塵埃数から体動量を検出でき、プローブやセンサーなどが一切つながっていない非接触・非侵襲にて,体動を弁別しながら代謝測定を行うことができることを実証した。こうして得られるデータをビッグデータの一部として活用する道筋が開けた。人間が一般的な生活(部屋への入退出、飲食時、睡眠時等)を送る際の塵埃数と二酸化炭素濃度の時間変化を測定することで、その相関解析により、運動を伴う代謝とそれ以外の代謝を弁別して解析できることが示された。
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