研究課題/領域番号 |
16K12717
|
研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
下川 和郎 東北大学, 東北メディカル・メガバンク機構, 講師 (10415185)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | ゲノムワイド関連解析 / 責任遺伝子 / 食習慣 / 生活習慣 / 疫学調査 |
研究実績の概要 |
平成28年度では、既に報告のある摂取食品に関するゲノムワイド関連解析結果に関する調査を行い、解析の結果報告された責任遺伝子についてリストアップした。 また、国際学会 American Society of Human Genetics に出席し、ゲノムワイド関連解析に関する最新の考え方、解析のためのツールなどの最新動向などについても知識を得ることができた。また食生活と健康に関する国内研究会において講演依頼があった。 実際のデータ解析については、最近アクセスが可能になったプレリミナリーデータ4千人程度を用いて、ゲノムデータと調査票との関連について予備実験を行ない、食行動と責任遺伝子との関連についていくつかの責任遺伝子の同定を行うと共に、既存の知識との照合を行った。食生活に関しては、現在は回答データを質的データとして利用しているが、量的データに変換して利用することができるように計算式を作成している。個々の調査票の回答については個別に処理する方法を変更する必要が生じているがこの処理の精査を行っている。さらに一万人分のゲノムデータを Impute 処理した複数のデータセットについて評価を行うべく予備実験を始めている。今後はこの Impute されたデータを主要な解析データとしていく予定である。 これらの結果の一部について組織内部での研究発表会において公開したが、そのレスポンスとして疾患と関連のある生活習慣についての問い合わせをいくつか受けることとなり、既報との比較解析など本研究から派生した研究が発生しているが、これらについての解析も行なっている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予備実験を行ない、いくつかの有意な変異を見つけることができた。 これらのいくつかは、既知の知識との整合性を見出すことができた。 また予想外に疾患関連など他の分野からの問い合わせがあった。
|
今後の研究の推進方策 |
嗜好品に関する既知のゲノムワイド関連解析研究報告をさらに収集することが可能で、これをもっと推進する必要がある。 客観性が乏しいと考えられている調査票を用いたゲノム研究をより説得力のあるものにしていくため、現時点で既知の研究を肉付けする形での研究成果を早急に上げる必要がある。 また今後一年程度の内に栄養素摂取量のデータが利用可能になると考えられるため、これらに関する解析も行う必要がある。 疾患に結びつく食習慣、生活習慣に関する外部からの問い合わせも多く、これらについても対応していく必要があると思われる。
|
次年度使用額が生じた理由 |
栄養関連学会へ出席予定だったが、学内での業務多忙などのため出席することができなかった。このため予算の使用額が少なくなった。また、今回購入予定だった計算機等物品については、過去の資産の有効活用などにより今年度の支出は抑えることとした。
|
次年度使用額の使用計画 |
昨年度の繰越分について、栄養関連の国際学会への出席及び発表と、ヒトゲノム解析関連学会への出席を計画している。また、計算機等物品に関しては、耐用年数などを考慮し部品交換等を行うことを計画している。 また29年度は塩分等味覚関連の調査が行われるため、それらのテストのためのの消耗品の支出を予定している。
|