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2016 年度 実施状況報告書

カテキンオリゴマーの交感神経刺激作用を介するサルコペニア予防作用の検証

研究課題

研究課題/領域番号 16K12731
研究機関芝浦工業大学

研究代表者

越阪部 奈緒美  芝浦工業大学, システム理工学部, 教授 (30554852)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード筋萎縮 / 廃用性 / テアフラビン / ユビキチンリガーゼ
研究実績の概要

・廃用性筋委縮モデル動物に対するテアフラビンの有効性の確認
カテキンオリゴマーの一種であるテアフラビンについて廃用性筋委縮に対する有効性を確認した。C57Bl/6マウスを対照群(vehicle ;distilled water, po)・テアフラビン群(50mg/kg in DW, po)の二群に分けた。このうち半数には稼働域を滑車により拡大した懸垂装置を用いて、後肢を懸垂した状態で二週間飼育した。二週間の飼育後、ペントバルビタール麻酔下で採血・解剖を行い、後肢から中間筋である腓腹筋・前脛骨筋、速筋である長肢伸筋および遅筋であるひらめ筋を摘出して重量を計測したところ、尾懸垂群においてヒラメ筋の有意な重量の低下が認められたが、テアフラビン投与群との間に差異は認められなかった。また各筋肉の半分はTissue-Tek OCTcompound 4583により凍結ブロックを作成し、クリオスタットによって切片をHE染色後、筋断面積をImage Jを用いて解析したが、実験群間に有意な差異は認められなかった。。またヒラメ筋における筋分解酵素であるユビキチンリガーゼ(MuRF-1・MAFbx-1)を測定したところ、尾懸垂群で有意な上昇が認められた。一方、尾懸垂-テアフラビン群においては同様な変化が見られなかった。また筋合成酵素であるp70-S6Kの発現をWestern Blott法で測定したところ、実験群間に差異は認められなかった。カテキンオリゴマーであるプロシアニジン類については同用量で筋萎縮の抑制が認められるものの、テアフラビンではその効果が無かったことから、有効性の発現には微細な化学構造の違いが大きく影響することが示唆された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画書に記載した実験については、ほぼ予定通り実施できている。プロシアニジンとテアフラビンの作用強度の違いについては、別途実験を計画して検証することを計画中である。

今後の研究の推進方策

同じカテキンオリゴマーであっても、プロシアニジンとテアフラビンで作用に違いが見られたことから、微細な化学構造が作用発現に影響することが示唆された。今後、測定項目を増やして両化合物の差異について観察を続ける。

次年度使用額が生じた理由

実験系を確立することを目的に、予備試験を実施する予定を組んでいたが、良好な実験成績を得ることができたたため、これを本試験とすることができたため、期間の短縮および経費の節約となった。

次年度使用額の使用計画

節約した経費については、カテキンオリゴマーのうち既に有効性が確認されているプロシアニジンに絞って、その構成成分の作用の違いについて詳細に検討することを計画している。

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公開日: 2018-12-17  

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