研究課題
外耳道ひずみを一定のアルゴリズムを持って計数することで、より簡便かつ正確に咀嚼回数を測定できるかことを平成29年度までの研究で開発した。装置による咀嚼回数のカウントは、外耳道内センサーで記録した外耳道ひずみの波形を装置内のマイコンにて、2秒をワンブロックとして、自己相関関数を算出し、咀嚼と判定したブロックに推定された咀嚼回数を計数し、積算することで行った。左側外耳道のひずみと同時に左右側咬筋筋電図を記録し、整流・スムージングした波形から、各バーストのピークの数を自動計測した。成人男性を対象にして装置による積算数(咀嚼回数)と、同時記録した咬筋筋電図から得た咀嚼回数の一致をBland-Altman法で分析したところ、個人間に有意な相違が認められ、個人差の大きいことがわかった。ほとんどの記録で、咀嚼回数に比べて95%一致限界が小さく、双方の計数の一致度は高かった。これまでの既製品の外耳道内センサーを用いた研究により、個人差や食品による影響はあるものの、外耳道のひずみの計測から咀嚼回数が計数できる可能性が示された。平成30年度は既製品の外耳道内センサーでは、外耳道ひずみの記録が難しい成人女性を対象に行った。各個人の外耳道の印象を取り、実際の外耳道の大きさの100%、110%、120%のサイズの外耳道内センサーとして用いた。リンゴ5gを嚥下するまで咀嚼してもらい、咬筋筋電図と外耳道ひずみを同時記録した。筋電図波形を整流・スムージングした波形と外耳道ひずみの波形から相互相関関数を導いた。ピークの大きさを分析すると、110%のサイズで作製したものを用いて記録した時にピーク値が最も高かった。カスタマイズしたセンサーを用いることにより、外耳道ひずみの波形を記録することができ、咀嚼回数の計数に有効であることが示唆された。
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