現在まで、トランス型やシス-トランス混合型脂肪酸の健康影響については余りにも未解明であった。しかし、健康影響を評価するには、我々が、毎日摂取する食品中の濃度を正確に把握することが必要となる。本研究成果は、1)現在まで定量されていないリノール酸とリノレン酸の異性体を新たに合成、精製し、それらを含めた高精度脂肪酸分析法を確立した。2)種々の食品及び母乳試料中の濃度レベルを明らかにした。3)調理加熱時にトランス脂肪酸などが生成することを観察した。これら結果は、トランス体を含めたシス-トランス型必須脂肪酸が有する健康影響評価に資する有益な知見を提供することが可能となるものと確信される。
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