研究課題/領域番号 |
16K12747
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研究機関 | 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所 |
研究代表者 |
高田 和子 国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所, 国立健康・栄養研究所 栄養教育研究部, 室長 (80202951)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 食事調査 / 画像診断 |
研究実績の概要 |
本課題では、Zhuら及びSixらにより開発されたスマートフォンのアプリケーションによる食事の写真の自動判別による食事調査方法が日本食へ適用可能かを検討している。初年度は、開発者であるアメリカおよびオーストラリアの研究者との会議を行い、日本で使用するために必要なデータベースや予備研究の内容を検討した。その結果、食品成分表のみでなく料理成分表が必要なこと、代表的な料理を抽出すること、一部の料理については成分値の測定や比重の計測が必要なこと、各種料理の基礎となる写真の収集、使用にあたってのフィージビリティスタディーが必要なことが明らかとなった。料理データベースについては既存の論文等を精査したところ、新たに作成が必要であることが明らかとなり、栄養疫学の専門家を交えて検討し、作成のための手順を整理した。成分値の測定及び比重の測定については測定方法についての情報収集をした。フィージビリティスタディについては、開発者らとも研究内容を検討し、2年目に調査が開始できるように準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
開発者らを招聘して会議を行ったところ、研究申請時にメールで情報交換していた時よりも、日本での使用のために必要なデータベースや基礎研究が多くあることが判明したため、当初予定よりは遅れている。また、アプリケーションに、栄養計算までするシステムとバランスのチェックをするのみのシステムがあることが判明した。栄養計算システムについては、多数のデータを整備しないと使用できないため、それらのデータ整備とバランスチェックができるための準備を進めている。必要なデータや基礎研究が明確になり、それらの準備は順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
フィージビリティ―スタディについては、倫理審査を終了し、新年度早々に対象者の募集を開始し、5~6月には実施予定である。料理データベースについては、他のコホートデータの使用について承諾を得、専門家を分担研究者として2年目より加えることで作業を進める準備が順調に進行している。国内全体の状況を反映するために、国民健康・栄養調査の二次利用申請を行い、承諾が得られた。新年度早々より2年間をかけて、料理データベースを整備する。また、代表的な料理の抽出を行い、必要な写真の収集及び比重や成分値の測定方法の検討を行う。アプリケーションについては、各栄養素を計算するシステムとバランスのみを確認するシステムの2種類があることが判明し、今回の研究期間中にはバランスを確認できるシステムを運用できるように検討することと、栄養計算ができるようにデータを整備する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
アプリケーション開発者との会議により、日本で準備が必要なデータが多数あること、事前のフィージビリティスタディが必要なことが判明し、実質的に経費が必要な作業以前の計画と準備に従事した。
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次年度使用額の使用計画 |
各準備作業が順調に進んでおり、新年度より料理データベースの構築、フィージビリティスタディの開始、代表的な料理の選択を開始する。
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