技術者として求められるコンピテンス:3能力(批判的思考力、創造的思考力、協働的思考力:前年度成果)を踏まえ、ジェネリックスキル評価試験を実施した。 まず、学年別の総合評価の結果、学年があがるごとに正答率が高くなり、学習到達段階に応じでコンピテンスの総合力が高くなる傾向を把握した。各能力別の評価結果より、各学年とも批判的思考力が高くなり、協働的思考力が低くなる傾向を把握した。また、批判的思考力、創造的思考力は、学年があがるごとに正答率が高く傾向を把握した。工学系設問と一般設問の比較において、工学系設問の正答率は3能力の全ての能力で学年があがるごとに正答率が高くなり、工学教育とコンピテンス向上の仕掛けがリンクすることを把握した。 続いて、5カ国で実施したコンピテンス試験結果を踏まえ、同世代の能力獲得には国別の特長があること、3能力別評価でも国別の特徴があることが理解できた。このことは、各国の教育において、育成・伸長すべき3能力を意図した教育の重要性、併せて、国際間におけるミニマムスタンダードのあり方、チューニングの必要性が理解できた。また、3能力は専門教育を踏まえた工学的アプローチにより伸長できること、なかでも批判的思考力が顕著に伸長できることを把握した。 以上のことより、コンピテンスの獲得において、各国の慣習・文化・宗教、幼児から学生までの教育内容の特徴を踏まえたうえで、科目ごとの教材と教授法、評価法の体系化が必要されることが把握でした。今後さらに各国研究者と協力して、各国に適合するルーブリックや作問等を精査してジェネリックスキル評価とチューニングのあり方を確立する必要性が理解できた。 なお、上記成果を踏まえ、学生を自主的能動的とする教授法の確立から、国立高専機構の新任教員研修会、2高専でのFD研修会、1学会のFD研修会にて、アクティブ・ラーニング研修を実施した。
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