研究課題/領域番号 |
16K12765
|
研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
西郡 大 佐賀大学, アドミッションセンター, 教授 (30542328)
|
研究分担者 |
木村 拓也 九州大学, 人間環境学研究院, 准教授 (40452304)
兒玉 浩明 佐賀大学, その他部局等, 理事 (80205418)
|
研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
|
キーワード | デジタルテスト / 科学的な思考力,判断力, 表現力 / テストの遡及効果 |
研究実績の概要 |
ペーパーテスト(PBT: Paper Based Testing)にはないデジタル技術の強みを活かせるテストの在り方を検討するために,PBTで評価しているとされる思考力や判断力等が,どのようなものであるのかについて,「思考力問題」を積極的に出題している東京大学の入試問題の分析を行った。その結果,多くの実験問題において,操作の意味や実験方法を説明させるなど,実験に慣れていることを求めている設問が目立っていた。つまり,現在のPBTで思考力を要するという問題は,①教科書レベルの知識やそれらを組み合わせることにより,新しい化学的事項を導くことができる,②簡潔な導入や解説を与えることにより,教科書にない事項を理解できる,といったことを測定しているものであることが分かった。 こうした分析結果及び昨年度実施した改訂版テストの分析結果を踏まえ,思考力評価について少し異なる観点から問う「基礎学力・学習力テスト」を開発した。同テストは,教科書に掲載されている基礎的な問題を択一式によって出題するとともに,試験時間内に受験者が解答を確定させると即座に自動採点できるタブレットテストである。間違えた問題については,当該問題を解くために必要な知識や考え方を「解説文」として表示し,受験者は,解説文を理解した上で,類題を解き,それに正解すれば一定の学習力があると評価するものである。数学,物理,化学の問題を作成し,佐賀大学の推薦入試の本試験において実施した結果,学習力に関して高い識別力が確認された。本テストでは,動画等は用いないシンプルな形式であったが,動画や他のメディア等を加えることによって,科学的な思考力や判断力等を評価できる可能性が示唆された。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書で示した平成29年度の研究計画をほぼ終えており,今後の研究遂行において特に大きな課題も生じていないため,おおむね順調に進展していると判断した。
|
今後の研究の推進方策 |
これまで開発してきたデジタルテストについて,遡及効果の観点から,どのような点が有効か,あるいは課題が考えられるかについて高校教員と連携した分析を行い,研究全体を総括する。
|