研究課題/領域番号 |
16K12771
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研究機関 | 秋田工業高等専門学校 |
研究代表者 |
佐藤 尊文 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (40321385)
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研究分担者 |
森本 真理 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (60369923)
伊藤 桂一 秋田工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (20290702)
野々村 和晃 鶴岡工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (00413732)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 3次元グラフ / AR(拡張現実感)技術 / 主体的な学び / 高専教育 / 工学教育 / 空間図形認識力 |
研究実績の概要 |
本研究は、(1)カメラで数式を読み取り3次元グラフを表示するソフトの開発、(2)空間図形認識能力を評価するような指標の構築、(3)3次元グラフに関連する授業コンテンツの開発と社会への発信、という3つの内容からなる。3次元グラフの板書は難しく、導入時の授業で図形をイメージすることができずに、苦手意識のまま克服できない学生が多い。3次元グラフ表示ソフトはいろいろあるが、それぞれ数式の入力方法が異なり、授業などに導入する際には、使い方の説明に多くの時間が取られる。本研究は、(1)~(3)によって、空間図形に対する学生の苦手意識を減らし、能動的学修を推進する教育コンテンツの研究開発を目的とするものである。 (1)について、平成29年度は、前年度に引き続きWindowsをOSとする端末でのソフト開発を進めた。カメラで撮った画像からの数式抽出、取得した数式が表すグラフのAR(拡張現実感)技術による特定のマーカ―への表示、タップやドラッグでグラフをいろいろと変化させる機能などについて、改良作業を行なった。また、カメラで読取ができない場合に対応し、手書き入力機能の開発を行ない、十分な精度で手書き入力ができるようになった。 (2)について、平成29年度は、前年度に構築した評価指標に基づくCBT(Computer-Based Testing)を作成し、(1)のソフトを未利用の学生に対してこのCBTを実施し、指標の再検討を行った。 (3)について、平成29年度は、高専シンポジウムにおいて(1)のソフトのデモを行い、実際に使ってもらって好評を得た。最終年度には、(1)のソフトを用いた授業設計シートの作成およびe-learningなどの自主学習のために利用できるコンテンツの開発を予定している。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ソフト開発においては、基本的な機能は実現できているが、様々な種類の端末での動作について簡単ではないことが分かり、平成29年度はWindows端末での動作に絞って開発を進めた。また、計画を変更し、手書き入力機能の開発を先に行なうこととした。これはWindows端末やAndroid端末では様々な種類のカメラがあるため、学生の所有する端末でカメラ機能を利用できない可能性を考えたためである。
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今後の研究の推進方策 |
本研究は、(1)カメラで数式を読み取って3次元グラフを表示するソフトの開発、(2)空間図形認識能力を評価するような指標の構築、(3)3次元グラフに関連する授業コンテンツの開発と社会への発信、という3つの内容からなる。 (1)については、前年度までに作成した3次元グラフ表示ソフトについて、WindowsをOSとする端末での動作を完成させる予定である。また、カメラ機能が利用できない場合にそなえ、手書き入力機能を強化する。さらに、ソフトの環境をWindowsに依存しないものに段階的に置き換え、様々種類の端末で動作するように開発を進める。 (2)については、前年度に構築した評価指標に基づくCBT(Computer-Based Testing)の実施結果を分析し、指標の改良作業を行なう。 (3)については、(1)のソフトおよび(2)の指標を基に、授業コンテンツの開発を行なう。特に、秋田高専がICT活用教育用に整備したWindowsタブレット端末で(1)のソフトを用いた授業設計シートを作成する予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
(理由) 当初の計画では、平成29年度内に様々な種類の端末で動作するようソフト開発を進めるため、複数種類の端末の購入を予定していた。しかし、Windowsの64bit版と32bit版のライブラリの違いや、OSによるライセンスの違い、カメラの種類の違いなどにより、様々な端末での動作が簡単ではないことが分かり、WindowsをOSとする端末にしぼって開発を進めた。このため、Windows以外の端末の購入予定額が未使用となった。 (使用計画) Windows版を優先したのは、秋田高専がICT活用教育用に整備したWindowsタブレット端末を、指標の構築作業に用いるためである。しかし、授業コンテンツの開発には、学生の所有する様々な端末を想定する必要がある。平成30年度前半に、Android版のソフト開発に取りかかり、その際、複数種類の端末の購入を計画している。
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