教師の力量向上にとって、授業がいかにみえるかは重要な課題である。斎藤喜博は、「教育とか授業とかにおいては『みえる』ことは『すべてだ』といってもよいくらいである」と述べている。しかし、授業を「みる」ことと、実際に「みえる」ことは違う。本研究では、視線計測装置を用いて教師や教育実習生の「みえ」を解明するとともに、その「みえ」をリフレクションに援用することを通して、教師の「みえる」力の向上方策を検討した。調査の結果、教育実習生は教室全体を見ているものの、視点が定まっていないため、表面しか見えていないこと、熟練教師はみたい子どもの姿など、授業をみる視点が定まっていること等がわかった。
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