研究課題/領域番号 |
16K12779
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
布施 泉 北海道大学, 情報基盤センター, 教授 (70271806)
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研究分担者 |
山本 裕一 北海道大学, 情報基盤センター, 助教 (10240128)
岡部 成玄 北海道大学, -, 名誉教授 (70169134)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | タンジブル / 情報科学 / 情報教育 |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、大学の一般情報教育における情報科学に関する学習項目の理解に有用なタンジブル機器を開発し、評価すること、また、当該項目の理解を促進する教材と学習手法を学習者特性に応じて最適なものを予測し、提供・評価するために必要な実証的研究を推進することである。 平成28年度は、タンジブル機器の各種設計と実践計画を行うとともに、従来型の学習手法に関する実践、評価を行った。タンジブル機器の設計においては、歯車式の機器を想定しているものについては、レゴブロックを用いて試作を行い、3Dプリンタに展開するための基礎調査を行った。 一方、従来型の学習手法としては、音のデジタル表現に関わるJavascriptを用いたデジタル教材の実践を進め、論文にまとめた。本実践は、学習者がブラウザ上で音を鳴らしながら、音のデジタル化を理解するための独自教材を用いたものである。学習者の標本化に関する理解度は、当該教材を用いることで向上していることが確認された。この教材は、あくまでコンピュータ上で音を再現するものであるが、これに対応するタンジブル機器として、既成のオルガニート(歯車型のツメを用い、紙テープの穴で実際に手回し式で音楽を奏でるオルゴール)を用意し、音のデジタル化について別視点で理解を向上させるための実践計画を立てる等の準備を進めた。 さらには、プログラミングの初学者用の学習環境を展開するために、デジタルメモのシステムと組み合わせたタンジブル機器について、製作を検討している段階である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
タンジブル機器の設計を概ね完成させることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
平成28年度は、タンジブル機器については、基礎調査と設計を行っている。従来型の実践については、成果が出ているので、平成29年度は、それらと組み合わせたタンジブル機器での実践を行うとともに、学習者特性を調査し、どのような教材のどのような組み合わせが望ましいかを確認することを計画する。
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次年度使用額が生じた理由 |
タンジブル機器の独自設計に時間を要したため、3Dプリンタで機器を実践人数分制作するための人件費、および3Dプリンタで用いるフィラメント等の消耗品は次年度(平成29年度)に回すこととしたため。
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次年度使用額の使用計画 |
タンジブル機器の設計は平成28年度で概ね完了したため、平成29年度は、タンジブル機器の実機の製作を行い、実践を計画し、推進することとする。3Dプリンターでの制作は時間を要するため、複数の3Dプリンタを用いて進めることとし、必要な関係のコンピュータ購入を行い、研究計画に基づき、研究推進に関し促進を図ることとする。
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