研究課題/領域番号 |
16K12780
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研究機関 | 埼玉学園大学 |
研究代表者 |
浦野 弘 埼玉学園大学, 人間学部, 教授 (50185089)
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研究分担者 |
南部 昌敏 聖徳大学, 教職研究科, 教授 (90143627)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 教育工学 / 学び続ける教師 / 自律的校内研修 / 授業研究 / 教師教育 |
研究実績の概要 |
本研究は,「教師の協働による授業力の向上が学校改善のキーである」との認識にもとづく。子どもの学習状況の改善と学力の向上の要は「学習や生活の規律」にあり,そのためには指導する学級のみならず学校全体の教師集団の組織化が,喫緊の課題であるととらえる。この課題に応えるために,①自律的な校内授業研修の確立を目指し,研究者が学校に一体的に入り込み,人間ドックのように,各校の課題を分析しつつ,協働で,教師集団が自律した実践的な研修体制を構築し,②学校内の諸問題をも視野に入れた総合的な授業改善・学校改善を行える校内体制作りを目指す。すなわち,波及効果や改善の糸口につながる時間軸に沿った「授業実践力の向上を目指す校内授業研修のモデル構築」を試みることが目的である。 本年度も,我が国における校内研修と学校改善の成果等について引き続き資料収集を行うと共に,北海道及び埼玉県の小中学校,東京都の小学校,東京都の市教育研究会等において実践を試みた。また,これまでの校内研修及び授業実践の実態に比較し,本研修方法の効果については新規に開始した学校等において一部聞き取り等を行った。 また,これまでに取り組んできた研修方法について,学級経営を改善充実させていくための実践と省察のサイクルに沿った実践の可視化の方法としての「概念化シートを用いた可視化の方法」や「リザルトチェーンの考え方を援用した可視化の方法」,さらにはそれらを統合した集合型のワークショップ方式の研修プログラムの方法に関する体系化について引き続き検討した。 さらに,総合的な学習の時間の開設前に取り組まれた自律的な研究開発の事例について新たに分析を試みた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでの実践成果をもとに,学級経営を改善充実していくための実践と省察の可視化の方法,また,それらを統合した教員研修の改善を目指すモデルプランにもとづき,北海道地区及び埼玉地区,東京地区で実践したが,研究代表者及び研究分担者のいずれも,多忙につき,学校現場との日程調整がつかず,訪問できる回数が前年度に比べ減少した。そのために,研究の遂行に遅れが生じた。 一方で,これまでに収集蓄積してきた資料をもとに,総合的な学習の時間の草創期あるいはその前における校内での自律的な開発研究の事例分析を一部試みた。 以上のことから,研究遂行に遅れが生じた。
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今後の研究の推進方策 |
埼玉県での二地区及び東京地区での実践成果を,教師集団の変容という視点から次年度にまとめると共に,本年度内諾を得ながら多忙のため実現できなかった研究代表者の勤務地周辺での新たな実践等を行う。これらの成果をもとに,公立学校における頻度の高い校内研修の実施方法と,研修意欲の向上を目指す導入初期の体制作りを視野に入れた自律的な授業実践力を育む校内研修体制の構築への手引となり得るものの提案する。
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次年度使用額が生じた理由 |
学校現場を訪問できる機会を調整できず,その回数が減少したため,物品費や旅費等の支出が少なくなった。本研究は次年度に事業期間延長が承認されているので,訪問と共に研究のましためを行う予定である。
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