情報モラルに反する行動をとってしまうという心の動きが心理学実験に基づき(心理学の学術的知見として認められた方法で)可視化されることで、本研究で提案する教育手法の信ぴょう性を向上することができる。そこで、最終年度である今年度は、本事業の成果として、昨年度、返戻された論文を洗練し、心理学系の論文誌にその知識と行動の不一致を判別する実験手法および実験参加者が適切な知識を有しているにもかかわらず情報モラルに反する行動意図が形成されることが示された結果を原著論文として再投稿し、採択されるに至った。また、本事業の目的をより精緻に達成するために、継続して教育プログラムを試行した結果をまとめ、本事業で提案する教育プログラムが、情報モラルの理解度、学習意欲、当事者意識を高めるといった有用性を示した。その成果の一部は、教育系の国内研究会発表において、大会奨励賞を受賞するなど、学術的評価を得ている。 また、本事業を基盤とした時期研究プロジェクトの構想・計画に着手するために、教育プログラムを他分野に適用可能かの検証を実施した。具体的には、グループディスカッション教育に援用を試みた。その結果、グループディスカッション行動の教育プログラムとしても利用可能であり,その学習効果が認められた。この結果は、教育プログラム中に実施された心理学実験についての適用領域を補強することができたといえる。現在、心理学実験の結果を心理学系論文誌に、教育実践を教育系論文誌に投稿中である。
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