研究課題/領域番号 |
16K12788
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
松井 博和 三重大学, 工学研究科, 助教 (10303752)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | コミュニケーションロボット / 語学学習 / ダイレクトメソッド |
研究実績の概要 |
科研題目:「実機ロボットに映像を加えるダイレクトメソッド外国語学習」の研究実績について,昨年度は,研究成果に対して1件の学会発表をし,研究の成果に基づくデモ展示を1件実施した.学会発表は,福岡県北九州市で,6/2(土)から5(火)まで開催されたロボティクス・メカトロニクス講演会2018にて,「ロボット教師によるダイレクトメソッドの外国語会話学習」-音声認識シス テムの自動化-のテーマで発表した.デモ展示は,三重大学内で11/3(土),4(日)に開催された小中学生対象の「科学の祭典」において実施した. また,本研究課題である人の外国語会話学習の効率化を推敲する過程において,その表裏に対応する機械の学習の効率化に関する研究を学術論文として2本投稿し2本とも採録決定をされた.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
現在遅れているのは,初年度の遅れの問題であるため,昨年度は概ね順調に進展しているといえる.一昨年度に外国語会話学習システムとしては自動で動作するように組むことができた.昨年度は,そのシステム上で用いるダイレクトメソッド用の学習内容の検証をした. 具体的には,スペイン語を未学習の被験者に,ロボットのスペイン語の発話に合わせたジェスチャをみせて,ロボットの発話の内容を理解させ,適切なタイミングで適切なスペイン語をしゃべらせる.その結果の一部として,諾否疑問文である「Is this a circle?(実際はスペイン語)」と疑問詞疑問文である「What is this?(実際はスペイン語)」の学習難易度を比較することができた.この二種類の疑問文の難易度は,文法的には諾否疑問文が疑問詞疑問文より簡単であるが,ダイレクトメソッドによる文の学習においては,疑問詞疑問文が諾否疑問文よりも簡単である傾向がうかがえた.これは,疑問詞疑問文に対する解答は,そのものの名を答えるだけで良い.しかし,諾否疑問文は,そのものの名が一致しているか考えてから,諾否を答えなければならないからであると考えられる.
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今後の研究の推進方策 |
今年度は,昨年度得られた成果である疑問詞疑問文が諾否疑問文よりも簡単に学習できるかどうかを昨年度より多くの被験者を用いて実験精度を上げる. その結果,疑問詞疑問文が諾否疑問文よりも学習が簡単であることが,伺えるだけでなく,優位性をもっていえれば,学術論文にまとめ投稿する予定である.
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度の遅れを取り戻して,昨年度中に研究計画を終了する予定であったが,そのまま初年度の遅れが残ってしまった. 今年度は,被験者謝金やロボット制作費や学会発表,論文投稿料など当初の予定どおりにに残りの予算はあてる予定である.
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