科研題目:「実機ロボットに映像を加えるダイレクトメソッド外国語学習」の最終年度の研究成果は,下記である.研究成果に対して1件の学会発表をし,研究の成果に基づくデモ紹介を1件実施した.学会発表は,愛知県名古屋市で,9/9(月)から10(火)まで開催された電気・電子・情報関係学会東海支部連合大会にて,「ロボット教師によるダイレクトメソッドの外国語会話学習--「間」の時間と回答の内容の推定の関係性の調査--」のテーマで発表した.デモ紹介は,三重大学内で12月13日(金)に開催された三重県内の中小企業に対する三重大学の研究紹介の一つとして実施し,ローカルニュースとしてではあるが公共放送のNHKと三重タイムズ新聞に取り上げられた.また,前年度採録が決定した論文が,本年度2本とも掲載された. 本科研期間全体を通して,2台の簡単な機構しかもたない小型自律移動ロボットが言語表現がなくてもその意図を被験者に伝えられるジェスチャ演技が大型液晶モニタの舞台の上で広がることが分かった.また,その意図を表す被験者の未学習言語の発話をロボットにさせると,ダイレクトメソッドという幼児が母国語を習得する手法で,被験者が未学習言語を習得できることが分かった.さらに,ジェスチャ表現として,ロボットの行動そのものだけでなく,ロボットの行動と行動の間の時間である「間」にも着眼し,それもジェスチャとして用いることが分かった. 最後に,本研究課題を通して得られた最も大きな研究成果は,本研究に必要である非言語表現による意図の被験者への伝達の研究が,コミュニケーションロボットのジェスチャの基礎研究そのものになり,ジェスチャ研究の新分野を切り開くものであるということを改めて認識できたところである.
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