研究課題/領域番号 |
16K12789
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
澤田 麻衣子 徳島大学, 大学院総合科学研究部(総合教育), 特任講師 (20645246)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 幾何教育 / 空間認識力 / 投象 / 教材開発 / 中学生 |
研究実績の概要 |
本研究は、算数・数学教育において投象という概念を取り入れた幾何教材(対象は中学生)を、教科教育がねらいとする学問知識の獲得とは視点を変え、基礎的な能力としての空間認識力への効果という側面から検証することにある。幾何教材を実施する授業実験の場は中学校2校を設定しており、調査分析はMental Cutting Test(MCT)、Mental Rotations Test(MRT)、そして質問紙による調査により行う。 平成28年度は、授業実験、MCT及びMRTによる調査、質問紙による調査を実施するにあたっての体制整備に取り組んだ。 授業実験は、1回の授業のみで実施されるものではなくある一定の授業時間を要すること、また現場教員により授業を展開いただくことが条件としてある。そのため、学校行事予定や授業計画、担当教員の配属などの配慮すべき点を踏まえつつ、直接的な交渉に努めた。計画時に候補としていた中学校への交渉だけでなく、幅広く協力校に関する情報収集も行った。授業実験の場の確保に努める一方で、授業実験内容については、現在の算数・数学の教育現場における教授内容や指導方法に関する知見やそこから見えてくる問題点などを収集し、平成27年に事前に実施した授業実験をもとに、本授業実験において共有できるものとして整理した。 調査に関しては、MCT、MRTの準備、および質問紙の作成を行った。MCT、MRTに関しては先行研究の知見について整理し、また事前に実施した調査を検証することで、本調査において実施可能な状態なものとして完成させた。質問紙においては、質問内容から日常生活と空間認識力との関わりが見られるよう、幅広い知見をもとに吟味しながら作成に至った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
平成28年度は、授業実験の内容に関する準備、MCT、MRTおよび質問紙の作成には至った。しかしながら、授業実験に協力いただく学校や担当教員の状況との条件が整わず、授業実験の実施までにはいたることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
現在交渉中の中学校に対し、授業実験および調査実施に向けての交渉をすすめる。また、新たな協力校の開拓とともに交渉範囲を広げ、授業実験および調査を実施することで、データを取得する。
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次年度使用額が生じた理由 |
授業実験の場として交渉中であった中学校での授業実験が実施に至らなかったことが理由である。そのため、授業実験と調査における旅費、授業実験実施の際に必要な教具および生徒個々に対する教材や調査紙に係る費用の分が、次年度使用額となった。
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次年度使用額の使用計画 |
授業実験および調査実施にかかる費用(授業実験備品代、調査にかかる印刷および旅費)としての使用を計画している。とくに旅費については、研究代表者の所属機関の移動(平成28年7月)により、これまで交渉を進めていた関西圏の中学校での実施に係る費用が必要と考えている。
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