研究課題/領域番号 |
16K12792
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
上田 昭子 徳島大学, 技術支援部常三島技術部門, 技術員 (30597836)
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研究分担者 |
外輪 健一郎 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(理工学域), 教授 (00336009)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 装置設計 / 技術者教育 |
研究実績の概要 |
溶解度測定装置の設計、製作プロジェクトを実施した。被験者としては、徳島大学理工学部の1年生3名を対象とした。まず、溶解度は化学物質の重要な特性であることを説明した。その上で、どのようにしたら定量的に測定が可能となるのか考察させた。化学物質には多様な種類があるが、電解質であれば濃度によって電気伝導度が変化するという性質を活用して溶解度の測定が可能である。安全に取り扱える代表的な電解質として塩化ナトリウムを取り上げ、実験を行った。実験にあたっては被験者同士で具体的な実験方法を議論させた。その結果、既知量の水と塩化ナトリウムを用い、塩化ナトリウムの結晶が残存する飽和懸濁液を調製した。これに対して水を少量ずつ加えていくと結晶が少しずつ溶解していき、全ての結晶が溶解すると電気伝導度が降下を始める。この電気伝導度が降下し始めたときまでに加えた水の量から溶解度を計算できる。実際に実験を行ってみたところ、測定値と文献に掲載されている値とは約14%の誤差が認められた。実験後は、誤差の原因についての考察と、改善方法を行わせた。意図した現象と、実際の現象との違いを注意深く観察、考察させることにより、電気伝導度と濃度の関係、電気伝導度計の測定原理、結晶溶解現象について理解を深めることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
溶解度測定装置の設計、製作プロジェクトを計画通りに実施できた。被験者の選定、実施、評価ともに順調であった。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度となる平成31年度は、これまでに実施してきたプロジェクトの経験を踏まえ、真値に近い測定値を得やすい実験を取り上げる。大学院生の補助を得て予備実験を行ったのち、被験者を集めてプロジェクトを実施する。アンケートなどによって学生に対する教育効果を考察する。
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次年度使用額が生じた理由 |
実験装置の製作費が予想よりも少なく抑えられたことが理由である。 平成31年度は、新たな物性測定を対象として設計・製作プロジェクトを実施しその教育効果を検証していく。次年度使用額は実験器具の新規購入、予備検討のための大学院生の研究協力費用として使用する。
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