現在の数学の基礎付けが、どの様な歴史的プロセスを経て生まれたかを明らかにすることにより、文系の非専門家からも関心を集めることが多い、「数学基礎論」の真の姿を明らかにし、一般向け書籍だけでなく、専門書にも散見されることがある、数学の基礎についての誤解を明らかにできる。 また、本研究プロジェクトは、本来、何らかの理由で史料が失われている場合に、それを迂回して関連する他分野の史料を通して「失われた史料」を「補完」できることを実例で示すことを目的としていたが、これは今回の史料においては達成できなかったものの、将来的には歴史学に大きな貢献をなし得る方法論であることが確認できたことは、大きな成果だろう。
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