2011年3月に発生した福島第一原発事故に関するメモリアル博物館の展示を改善するため,展示内容と来館者への教育効果を分析した。福島県環境創造センター交流棟「コミュタン福島」に着目し,展示説明文や子どもたちの感想を対象にテキスト・マイニングや感性解析を適用した。頻出語の共起ネットワークや,肯定語/否定語の出現状況などを明らかにした。また,ウクライナ・チェルノブイリ博物館の音声ガイドや国会事故調の報告書の結果と比較した。結果として,「コミュタン福島」の展示には,「安定ヨウ素剤」や「SPEEDI」,被ばくによる「死」など,福島原発事故の教訓に関する重要な情報が含まれていないことが明らかになった。
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