研究課題/領域番号 |
16K12814
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
大村 順子 (兼清順子) 立命館大学, 国際平和ミュージアムオフィス, 職員 (90773987)
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研究分担者 |
田中 聡 立命館大学, 文学部, 教授 (10368011)
小川 さやか 立命館大学, 先端総合学術研究科, 准教授 (40582656)
高 誠晩 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 研究員 (40755469)
川村 健一郎 立命館大学, 映像学部, 教授 (70454501)
加國 尚志 立命館大学, 文学部, 教授 (90351311)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 博物館展示学 / 平和博物館 |
研究実績の概要 |
本年度は以下の全体会議と、理論研究セクションと展示方法研究セクションの合同ワークショップを行った。 1, 全体会議を開催し、戦争体験継承のための新たな展示モデル構築に向けた理論的基盤整備に必要な検討課題を整理し、本研究における調査と研究の方針を確定した。 2, 7月8日のワークショップで(博物館における)戦争体験継承に関わる先行研究のレビューを行い、平和博物館の学芸員など実践に携わる参加者を含めて体験継承をめぐる課題を再検討して整理した。ここでの整理に基づいて各分野から具体的なアプローチ方法を検討し、全体会議において本研究の方針を確定した。1月13日のワークショップで、戦争体験を扱った海外の博物館の事例の報告を受けて、戦争体験をめぐる展示が持つ継承の側面と体験の再構築の側面について検討した。 3, 代表者による国際会議(3月4日、5日に開催された”Practicing History at the Time of Crisis in the Globalization Consensus”)での報告と参加者からのコメント、海外の研究者(3月8日にKeneth Ruoff(ポートランド州立大学))からコメントを受け、研究ネットワークを拡大した。また体験継承とその実践について検討を深めるため次年度から根本雅也氏に新たに研究協力者としてプロジェクトに参加いただくこととなった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究始動にあたり、まず、戦争体験継承に関わる先行研究の検討を行い、平和博物館における継承が抱える課題について整理した。ここでの整理に基づき、それぞれの分野から戦争体験継承のモデル構築のために必要な検討課題について討議し、本研究前半(本年度及び来年度前半)の調査と研究の方針をまとめた。この方針に基づいてワークショップの開催、国際会議での報告、海外の研究者からのコメント、継承をめぐる研究を進める新たな研究協力者を得て、理論的基盤整備を進めつつ、研究ネットネットワークの拡大を図った。 予定していた海外調査とワークショップのうち、初年に実施できなかった部分があった。
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今後の研究の推進方策 |
今後も継続して、理論研究セクションと展示方法研究セクションの合同ワークショップを開催し、平和博物館における戦争体験継承のための新たな展示モデル構築に向けた理論的基盤整備を行う。また、2年目は、本プロジェクトの最大の成果となる、新たな理論に基づいた展示実践の遂行のため、展示のコンテンツとなる戦争体験証言や資料の調査と収集を進める。これら調査の調整と領域横断的な討議のため全体会議を開催して、調査研究の方針について確認する。
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次年度使用額が生じた理由 |
初年度だったため出だしが遅れ、報告者の日程調整が難航し、年度内に開催できたワークショップ数が予定を下回った。また、予定していた海外調査が他の業務(特別展の担当)との関係上、タイミングが合わず、17年度に延期することになった。これらに付随して書籍や機材の購入も17年度にずれ込んだ。
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次年度使用額の使用計画 |
16年度は初年で出だしが遅れたため、17年度は進捗管理に努め、特別展の担当も外れて遅れを取り戻す予定である。16年度に開催予定であった第3回、第4回のワークショップは17年度前半に開催する。また、当初16年度に予定していた海外調査も17年度に実施を予定しており、プロジェクトの期間中には、予定通りの実施を計画している。
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