研究課題/領域番号 |
16K12814
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
大村 順子 (兼清順子) 立命館大学, 国際平和ミュージアムオフィス, 職員 (90773987)
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研究分担者 |
田中 聡 立命館大学, 文学部, 教授 (10368011)
小川 さやか 立命館大学, 先端総合学術研究科, 准教授 (40582656)
高 誠晩 立命館大学, 衣笠総合研究機構, 研究員 (40755469) [辞退]
川村 健一郎 立命館大学, 映像学部, 教授 (70454501)
加國 尚志 立命館大学, 文学部, 教授 (90351311)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2019-03-31
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キーワード | 博物館展示学 / 平和博物館 |
研究実績の概要 |
本研究は戦争体験者の存在に頼ることができなくなる時代にあり、戦争体験を継承するための展示のあり方を検討し、提起することを目的としている。最終年度である本年は、引き続き戦争体験継承の実践者や研究者によるワークショップでの検討を行った。そして、戦争体験継承は伝え手と受け手の相互コミュニケーションの中で成立し、現在、継承においてより重要な役割を果たすのが、「受け手」であることを明らかにした。 これを受けて、「受け手」の動機付けを目指す展示のあり方を検討し、成果展示「8月6日」(立命館大学国際平和ミュージアム秋季特別展2018年11月6日―12月16日、展示図録『8月6日』発行)を実施した。展示では、見学者が戦争体験を聞くことではなく、「思考して受け止める」ことを重視する構成をとった。展示は、現代における戦争体験継承の多様性と多層性を問うビジュアルインスタレーション作品、資料の来歴を現在から過去へ遡って見せることで戦争体験に迫り歴史の中の「継承」を考察する展示、これらを通して見学者が従来の継承のあり方に疑問を持ちそれを思考するコミュニケーション空間の3要素をもって展開した。展示の評価と分析のため、会期中には展示評を開催し、来館者調査(全回答者数58)とコミュニケーション空間のプログラムへの書き込み(有効回答153)の分析を行った。これらをもとに戦争体験継承展示モデルとして展示を振り返り、その課題と成果を明らかにした。研究期間中に開催した全11回のワークショップ、展示のための調査、展示制作過程の議論、展示の設計と概要、展示の評価と分析を成果報告書(全120ページ)としてまとめ、2019年3月に刊行した。
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備考 |
Webページ「平和博物館における戦争体験継承のための展示モデル構築」にワークショップ内容を掲載 / 立命館大学国際平和ミュージアム2018年度秋季特別展「8月6日」(2018年11月6日~12月16日)開催 / 2016-2018年度科学研究費補助金 挑戦的萌芽研究 研究成果報告書「平和博物館における戦争体験継承のための展示モデル構築」(兼清順子)全120ページ、2019年発行
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