人類にとって普遍的な行為である「人の死の弔い」を,土地資源の利用の観点から捉え,中国における埋葬の形態や慣習に関わる経済的・社会的・文化的要因を把握することで,「死後の土地利用」の形成メカニズムと持続可能性を考察した。 20世紀半ば以降,中国の都市地域では殯葬改革が進展し,北京市などの大都市圏や沿海地域で,火葬化の進展と増加する死亡者に対応する公墓が開発されている。またGISを活用して,北京市において20世紀半ばと現代の墓地の位置と面積の変化を分析し,両時点の人口当たりの墓地面積に大きな差違はないことがわかった。近年は樹木葬や海上散骨などの土地資源節約型埋葬が普及しつつある。
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