本研究は、自動走行システムに関して、1)自動走行システムの普及による交通事故死傷者数の減少、温室効果ガス排出削減効果の推計、2)自動走行実現のための各種システム方式の社会的厚生の比較、3)車車協調やクラウド協調を利用する場合の、費用対効果の高いクリティカル・マス形成方法、という3点を明らかにすることを目的に実施しているものである。 研究代表者は、平成29年2月より、内閣府のSIP-adus国際連携WGの準構成員に任命されており、本年度は、本事業の研究成果を利用して、SIP-adusを中心に、自動走行システムの社会・経済インパクトに関する議論に貢献する活動を行った。国際的な活動としては、SIP-adus Workshop 2018とITS World Congress 2018という2つの国際専門家会議に登壇した。国内では、日本経済政策学会第75回(2018年度)全国大会の共通論題セッションで講演を行った他、第13回日本ITS推進フォーラム、日本自動車技術会等の会議で発表を行った。さらに、分担執筆者として日本経済政策学会の叢書に執筆するほか、学術誌、業界誌に2つの論文を掲載した。一方、研究面では、当初計画で予定していた消費者の車種選択を組み込んだ動学的シミュレ-ション・モデルによる分析が、事業期間中に成し遂げられなかった点が残念である。 研究代表者は、2018年度より、第2期SIP-adusにおいて、自動走行システムの社会・経済インパクトに関する委託研究に従事している、本研究の成果は、この委託研究の中で活用し、さらに発展させていく所存である。
|