研究課題
本研究は、人生経験が浅く災害を具体的にイメージすることが難しい小中学生が、中央教育審議会が推奨し、新学習指導要領などにも取り上げられている能動的学修(アクティブ・ラーニング)やカリキュラム・マネジメントの考え方を援用しながら、防災専門家の介入のない教師-児童生徒の教授過程において、災害を自分たちに引きつけて考える「わがこと意識」を持ち、教科学習の中で主体的に学ぶような学習プログラム(単元構想図・指導案)・教材等)を開発して、子どもたちの「生きる力」を向上させるものである。本年度は、プログラム・教材開発のための前提となる「わがこと意識」を高めて主体的に学ぶことができるような学習目標を明確化させるため、知的障害のある児童生徒への地震防災教育プログラムの開発を行った。2011年東日本大震災において障害者(障害手帳所持者)の死亡率を見ると被災地全体の死亡率よりも2倍近く多かったことが指摘されていることをふまえ、様々な障害のある児童生徒への効果的な防災教育を検討することが急務である。昨年度は、視覚障害のある児童生徒に焦点をあてたが、今年度は、知的障害のある児童生徒への、既存のプログラムの適用可能性を検討した。そして、知的障害のある子どもたちが、自らの危険を予測し回避する対応力を身に付けるための地震防災教育プログラムを開発した。本プログラムは、栃木県の知的障害特別支援学校をモデル校としてプログラムの教育効果を検証し、プログラムの有効性を確認した。また、特別支援学校も含めた、防災教育の効果的な研究と普及のあり方として、防災の専門家や関係機関、教育機関などのステークホルダー間の横の連携の重要性について考察した。
すべて 2020 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 4件) 備考 (1件)
Journal of Disaster Research
巻: Vol.15, No.2 ページ: 152-164
https://doi.org/10.20965/jdr.2020.p0152
巻: Vol.15, No.1 ページ: 20-40
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地域安全学会論文集
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https://www.nhk.or.jp/kobe/shinsaisonogo25/