研究課題
本研究は、日本と台湾の危機管理組織を比較し、危機管理体制の標準化を促進する要因の抽出、および、標準化による災害対応の柔軟性への影響について調べてきた。2019年度は、第一に、前年度に完了した台湾での地方自治体への調査(面接調査、郵送調査)の結果を解析するとともに、これと比較するための日本国内の地方自治体向け調査を行った。この調査は、302の地方自治体を対象に郵送形式で行われ、155の自治体から回答を得た、対象自治体は、政令指定都市、県庁所在都市、中核市、東京23区については、すべて、これ以外の自治体については、無作為抽出により決定した。調査の実施時期は、2019年の5月から9月にかけてである。返答のない自治体に対しては、督促を1回行った。質問項目は、当該自治体の災害経験、災害対応標準化の進展度合い(研究代表者らが作った台湾との共通尺度から選ぶ形の質問)、標準化を支える文章や訓練の内容、標準化度合いと災害対応の柔軟性についての考え方と注目すべき事例、そして、本調査におもに回答した危機管理担当者の危機管理経験である。これをもとに、避難勧告・指示の発令経験の多様さが標準化の進展に関係していること、災害救助法の適用回数で見た大災害の被災経験と標準化の程度との間には、明確な関係がないこと、などを明らかにした。さらに、災害対応の標準化と柔軟性の関係について、事例分析を行った。これらの結果をもとに、英文の論文投稿を実施した。第二に、北九州市で行われてきた医療連携訓練の結果を解析し、英文の論文を投稿した。
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Safety
巻: 5 ページ: -
https://doi.org/10.3390/safety5030049
http://chempro.env.kitakyu-u.ac.jp/~tkatou/tkato.html