研究課題
冬期に積雪を伴う活火山では,噴火時の融雪型火山泥流や融雪期の降雨―融雪型(ROS)洪水など,突発的現象とその災害が懸念される.本研究では,噴火静穏期における火山土砂輸送の特性を理解することと,融雪型火山泥流を検討する際に必要な積雪特性を明らかにすることを目的とする.本年度は,調査対象地域を福島県安達太良火山流域の酸川・長瀬川および吾妻火山流域の須川・塩ノ川とした.積雪期・融雪期の気象・雪氷観測と解析については,前年度から引き続き,安達太良山沼尻登山口駐車場(標高1130m)に設置した観測機器を用いて行った.観測項目は,積雪深・気温・相対湿度・短波放射量(上下)・長波放射量(上下)・風向・風速・降水量(雨量計のみ,標高950 mの福島県畜産研究所沼尻分場内に設置)とし,平成31年4月の時点まで支障なく,連続的なデータを得ることができている.積雪期には,吾妻火山から安達太良火山にかけての複数の標高帯においてスノーサーベイ(積雪深・積雪重量・積雪断面観測)実施した.今冬期における積雪水量を見積もり,その標高依存性を検討した.安達太良火山下流域の酸川および長瀬川において流量・土砂輸送量の水文観測を行った.酸川では水位について,また長瀬川では水位と濁度についてデータロガー付きのセンサーにより自記観測を行い,それらの時間変化をとらえた.また,吾妻火山の噴火警戒レベルの変化に応じ,須川および塩ノ川に,水位計を設置した.同地点において,ほぼリアルタイムでデータを送信する機能を備えたモニタリングカメラを設置し,河川の濁度と水位変化について観察を行った.
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