前年度に京都大学附属図書館,京都府内の図書館および資料館において,データベースによる調査と新聞の所蔵状況の整理をすすめ,調査方法の開発および検証をおこなった.また,全国各地での予備調査を実施した.これらを踏まえて手法を改良し,全国の図書館および資料館での調査を実施した.(1)東京都(国立国会図書館),(2)熊本市(熊本市立図書館,熊本新聞,明治9年5月~明治10年12月および明治12年6月~明治23年12月),(3)岡山市(岡山県立図書館,山陽新聞,明治12年1月~;岡山大学附属図書館,山陽新聞,明治 12~15 年) 加納(2016)で,泥雨記事の時空間分布に着目したように,現象によっては詳細な推移を把握できた.このような研究のためにも,抽出した情報をデータベース化し,時系列や地域による並べかえ,検索などが容易にできるように工夫した.このデータベースはWeb上で公開した. 情報の抽出においては,図書館の利用者などのボランティアの協力を得ることを検討し,公立図書館等の担当者と具体的に相談をしたが,実現には至らなかった.ここでの検討は,京都大学での少人数セミナーの企画に活用した.
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