本実装活動では、間伐材を用いた柵に簡易振動センサ等を設置した計測用の柵を製作し、土石流、落石、雪崩における小規模な発生状況を予兆現象として捉え、災害発生の可能性及び発生後の状態を認識する計測システムの有効性や性能評価を実施した。本システムの実現により危険個所の管理者または地域の責任者が、迅速に危険個所を認識し、速やかな住民の避難や救助および災害現場の復旧対応が実施可能な支援情報を提供できる仕組み作りを目指すものである。昨年度は製作したセンサユニットおよび間伐材による検知柵を用いて、研究所内にて基本特性の評価試験を実施した。評価試験では、荷力試験機による完全破壊までの計測柵およびセンサの基本特性について確認し、重錘落下衝撃試験による加速度センサと振動型センサの計測結果の確認を行った。本年度は昨年度に計測柵を設置した秋田県能代市二ツ井の2ヶ所の実証試験現場で継続的観測を行い、その耐久性および計測の有効性を評価するとともに、同市に位置する秋田県立大学木材高度加工研究所(以下、木高研と記載)敷地内に同型の計測柵を設置し、落石および積雪を模擬した加力試験を人為的に加える事により検知柵の性能を評価した。実施した試験は①木高研内の野外斜面に実証試験用の計測柵および検知システムの設置、②木高研内の野外斜面での計測柵の載荷実証試験、③木高研内の野外斜面での計測柵の衝撃実証試験、④実証試験現場での積雪状況確認(能代市二ツ井)、⑤野外における検知システムの長期信頼性評価と耐久性評価、⑥計測データの確認および評価、⑦異常検出時の初動対応の確認準備
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