研究課題/領域番号 |
16K12861
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研究機関 | 国立研究開発法人情報通信研究機構 |
研究代表者 |
山本 真之 国立研究開発法人情報通信研究機構, 電磁波研究所リモートセンシング研究室, 主任研究員 (90346073)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 大気現象 / ウィンドプロファイラ / 高分解能観測 / 自然現象観測・予測 / リモートセンシング |
研究実績の概要 |
ウィンドプロファイラ(WPR)は、晴天域における風速及び大気乱流を計測する。レーダイメージングを用いることで観測分解能を向上させた、次世代WPRの開発が進んでいる。次世代WPRの観測性能を十分に引き出すためには、不要エコー(クラッタ)による測定データの品質悪化を防ぐことが必要である。クラッタによる測定データの品質悪化を防ぐことを目的とした、スペクトルデータ処理手法の開発に取り組んだ。 スペクトルデータ処理に使用するプログラムを開発した。汎用性に優れるプログラミング言語であるPythonを用いることで、プラットフォームに依存しないプログラムを開発した。科学技術計算を行うためのライブラリとしてNumPyとSciPyを用いることで、効率的にプログラムを開発した。オブジェクト指向のプログラミングを行うことで、開発したプログラムの拡張性を確保した。Pythonの活用により、汎用性と拡張性に優れるプログラムが開発できたと考えている。 LQ-13は、情報通信研究機構が有するWPRである。LQ-13を用いた観測を実施した。次世代WPRで要求される高度分解能を達成する手段として、LQ-13が有する機能であるレンジイメージングとオーバーサンプリングを用いた。開発したスペクトルデータ処理手法の評価を行うため、アダプティブクラッタ抑圧システムを用いた測定も実施した。LQ-13による測定データを用いることで、開発したプログラムの動作を検証した。さらに、スペクトルデータ処理手法で用いる制御パラメータにつき、検討を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
スペクトルデータ処理に使用するプログラムを開発した。Pythonの活用により、汎用性と拡張性に優れるプログラムが開発できたと考えている。LQ-13による測定データを用いることで、開発したプログラムの動作を検証した。さらに、スペクトルデータ処理手法で用いる制御パラメータにつき、検討を実施した。スペクトルデータ処理手法の開発と評価を次年度も継続することで、さらなる研究の発展が見込める。以上述べたとおり、本研究課題は、おおむね順調に進展している。
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今後の研究の推進方策 |
スペクトルデータ処理手法の開発と評価に、引き続き取り組む。東京都小金井市の情報通信研究機構本部に設置されたLQ-13に加え、京都大学防災研究所が兵庫県神戸市に設置したWPRを用いることで、多くの観測事例を得る。多くの観測事例を用いることで、スペクトルデータ処理手法の汎用性を検証する。さらに、乱気流や上昇気流の観測事例を用いたフィージビリティスタディを実施する。フィージビリティスタディの実施により、開発したスペクトルデータ処理手法を用いた次世代WPRが、乱気流や上昇気流を優れた時間・高度分解能で計測できることを示す。
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次年度使用額が生じた理由 |
観測実施計画を一部変更したため、次年度の観測実施に必要となる準備の一部を、今年度でなく次年度に実施することとした。そのため、未使用額が生じた。
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次年度使用額の使用計画 |
次年度に、WPRを用いた観測を実施する。未使用額は、その経費に充てることとしたい。
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