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2016 年度 実施状況報告書

酸素分圧画像を指標とする強度変調放射線治療モデル実験

研究課題

研究課題/領域番号 16K12862
研究機関北海道大学

研究代表者

平田 拓  北海道大学, 情報科学研究科, 教授 (60250958)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワード腫瘍 / 放射線 / 酸素分圧 / 画像
研究実績の概要

平成28年度は、主に二つの課題に取り組んだ。
(1)後肢に腫瘍を作製したマウスを想定し、マウス後肢を+45度、0度、-45度回転した場合の放射線照射領域の投影を求めるプログラムを開発した。投影された低酸素領域の形状に合わせ、後述のマルチリーフコリメータの開口部を決定することを想定している。入力するデータは64×64×64の三次元データである。ボクセルの寸法が1mmでは無い場合には、データの回転操作を行った後、ボクセルサイズを1mmに変更し、マルチリーフコリメータの操作を容易にする。
(2)マウス後肢の腫瘍に合わせた、小動物用のマルチリーフコリメータを開発した。開口部は最大で縦横20mmであり、厚さ1mmの鉛板(幅10mm)を片側20枚、合計で40枚使用する構造となっている。手動で鉛板を動かすことにより、マルチリーフコリメータの開口部の形状を整形する。試作したマルチリーフコリメータは、十分に遮蔽が可能であるか、開口部の形状に合わせた放射線照射が可能であるか検証した。放射線が一点から放射されるため、僅かに開口部よりも広がった部位に放射線が照射されることが分かった。しかし、実用的には問題が程度の広がりであることも明らかとなった。
当初予定よりも進んでいる部分として、マウス後肢に移植した腫瘍の成長カーブを取得した。C3Hマウスの後肢にSCC VII細胞を移植し、腫瘍の成長を観察した。また、放射線(24 Gy)を単回照射した後に腫瘍成長カーブを取得した。これらのデータは、平成29年度に予定している放射線治療モデル実験の際に、基準となるデータとして利用される。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

1: 当初の計画以上に進展している

理由

低酸素領域の投影を求めるプログラムの開発と、マルチリーフコリメータの製作が行われており、当初予定した課題は概ね達成した。また、腫瘍成長カーブの取得は、前倒しで課題が実施されており、全体としては「予定より進んでいる」と判断した。投影プログラムの改良や、マルチリーフコリメータの改良を実施し、より簡便かつ実用的な実験装置に仕上げて行くことが求められる。

今後の研究の推進方策

二年計画の本課題は、平成29年度が最終年度である。本課題の目標である、酸素分圧を指標とした放射線治療モデル実験を行うため、平成29年度は腫瘍モデルマウスを用いた放射線照射実験を実施する。当初計画では15 Gy程度の照射を計画していたが、平成28年度に24 Gyの照射で腫瘍成長カーブを取得した。そのため、引続き24 Gyの照射を基準として、実験を進めていく。低酸領域とそれ以外の部位の放射線照射量を変化させ、腫瘍成長カーブにどのような影響があるのかを明らかにする。酸素分圧を指標にした放射線照射群と、均一照射群に優位差があれば、本実験で提案する手法の有用性が示されることになる。簡単なモデル実験では優位差が示されない場合には、実験計画を見直し、放射線照射の計画を変更する予定である。

次年度使用額が生じた理由

当初予定していたよりも、マルチリーフコリメータの試作に係る経費が少なくて済んだため、次年度使用額、約18万円が生じた。

次年度使用額の使用計画

当初計画で予定している放射線照射実験の際に、マウス用のマルチリーフコリメータの改良を行うことを想定しており、その際の経費として使用する計画である。また、予定よりも前倒しで放射線治療モデル実験をすすめるため、実験回数が増加することが想定される。そのため、放射線照射実験に必要な腫瘍細胞の調達や実験動物に関わる経費が増大することが考えられる。それらの経費として次年度使用額を充当する計画である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2016

すべて 学会発表 (1件)

  • [学会発表] EPRイメージングによる酸素マップを用いる放射線照射モデル実験の装置開発2016

    • 著者名/発表者名
      金丸多良, 平田拓
    • 学会等名
      第55回電子スピンサイエンス学会年会
    • 発表場所
      大阪市立大学
    • 年月日
      2016-11-10 – 2016-11-12

URL: 

公開日: 2018-01-16  

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