今後の研究の推進方策 |
H28年度に得られた成果に基づき、H29年度は①プラズマ作用の細胞生物学的解析と②プラズマ応答性カルシウム透過性チャネルの分子生物学的解析を推進する。具体的には、①3T3L1線維芽細胞は脂肪細胞へと分化することにより、そのインスリン反応性や代謝能が成熟する特徴があるため、未分化細胞と分化した脂肪細胞におけるプラズマ依存性[Ca2+]i応答の差異について詳しく解析する。さらに、脂肪細胞の高次機能(インスリン反応性や糖取込)に対するプラズマ作用の有無について生化学的に解析する。未分化線維芽細胞との比較検討を行うことにより、生物機能に対するプラズマ作用の多様性とその作用メカニズムについての理解を深める。②また、プラズマ依存性[Ca2+]i応答にはTRPチャネルファミリーの関与が示唆されるため、各種TRPチャネル(TRPV1, TRPV2,TRPA1, TRPC4, etc)を外来性に発現させた培養細胞を用いた分子レベルでの解析を推進する。特にTRPV1分子には活性窒素種で化学修飾されるシステイン残基が多数存在するため、各種の置換変異体を作製することにより、プラズマ応答性に対するチャネル分子構造-機能協関について明らかにする。
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