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2016 年度 実施状況報告書

細胞が生じる収縮力を直接的に計測する新手法の開発

研究課題

研究課題/領域番号 16K12871
研究機関名古屋工業大学

研究代表者

杉田 修啓  名古屋工業大学, 工学(系)研究科(研究院), 准教授 (20532104)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2018-03-31
キーワードバイオメカニクス / 細胞・組織 / 細胞骨格 / 張力計測
研究実績の概要

細胞が生じる収縮力は,遊走など細胞の基本的機能の原動力であり,その周囲に及ぼす力が組織の形態形成や遺伝子発現等様々な生命現象に影響するとも考えられているが,現状ではこの力を直接計測する手段がなく、本研究ではこの計測法の開発を目指している.
今年度は,まず,計画通りに細胞の収縮力の発生源と考えられている細胞内小器官の一つであるストレスファイバを単離し,このストレスファイバの引張試験をしながら,現在開発している張力の計測指標の変化を観察することを試みた.これまでに上昇する結果は得られてきたが,実験条件等に依存するようなデータが得られており,引き続き実験環境条件の変化によりどのように指標が変化するか等,来年度も引き続き検討を継続する.
次に,この指標で本当に張力が計測できているかを確認するため,培養皿上に培養した細胞を用い,複数条件下で細胞の発生張力指標の変化を調べることとした.これまでに細胞のフェノタイプが変わると報告されている,細胞継代数を変化させる条件と,細胞の培養用培地を変化させる条件で張力指標を計測した.結果,いずれもこれまでに張力が上がるフェノタイプになると言われている条件で,細胞の張力予測指標が有意に増加した.また細胞形状との関連でも,張力が増加するタイプになると報告されている細胞形状で,細胞の張力予測指標が有意に増加しており,本法で張力が容易に計測できる可能性が高まったことを示した.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

当初の計画通り,細胞骨格の張力計測については2年を想定しており,それ以外の内容による成果も得られているため.ただし,単離ストレスファイバの引張試験については実験環境構築にやや遅れが見られている.

今後の研究の推進方策

今年度研究を推進した担当者がやや経験を積んだと考えられるため,次年度も引き続いて担当者を継続する.細胞骨格の引張試験についてはこれまで以上に,専門に実施している他大の研究協力者に指導を仰ぐ.

次年度使用額が生じた理由

本年度から新たな担当者が実施したためか,当初計画していた実験の1つが順調に進行しなかった.また,本手法の確立を証明するために必要な実験方法について見直し,新たな実験系構築を検討したため.

次年度使用額の使用計画

これまで以上に研究協力者と密に連携をとり,本年度に時間を要した研究を積極的に推進する.また,成功率の高い引張試験装置への仕様変更や,本手法で力計測が可能となるかを確認するために必要であることが新たに判明した実験系の構築が見込まれており,これにあてる予定である.

  • 研究成果

    (2件)

すべて 2017 その他

すべて 学会発表 (1件) 備考 (1件)

  • [学会発表] 複屈折量計測による細胞骨格の発生張力の推定法に関する研究2017

    • 著者名/発表者名
      保崎雅俊,杉田修啓
    • 学会等名
      日本機械学会東海支部第47回学生員卒業研究発表講演会
    • 発表場所
      浜松
    • 年月日
      2017-03-13 – 2017-03-13
  • [備考] 名古屋工業大学 バイオメカニクス研究室 研究紹介ページ

    • URL

      http://biomech.web.nitech.ac.jp/Research.html

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公開日: 2018-01-16  

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