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2017 年度 実施状況報告書

ドラッグ・リポジショニングと独自アッセイ技術に基づく細胞収縮能回復薬の発見

研究課題

研究課題/領域番号 16K12872
研究機関大阪大学

研究代表者

出口 真次  大阪大学, 基礎工学研究科, 教授 (30379713)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワード細胞バイオメカニクス / 細胞収縮力 / メカノミクス / ドラッグ・リポジショニング
研究実績の概要

細胞は自身の接着部位に負荷される内因性収縮力の大きさに応じてシグナルを調節することが明らかにされつつある。しかしながら、このような力の役割を調べるこれまでのメカノバイオロジーに関する実験方法では測定効率・スループットが低く、細胞内シグナルの全容およびそれを調節することができる薬剤の評価は限定的な実験に留まっていた。細胞収縮力をハイスループットに定量評価することができるシステムを構築し、それを細胞収縮力の調節に関与する薬剤や遺伝子のスクリーニングに適用することを研究目的とする。現在までに本システムの装置の機構的な設計と細胞培養基質の作製のための条件出しは終了した。また、そのシステムを小型化して96ウェルプレートの各ウェル内に実装できる装置の設計と作製も行い、現在はそこから派生して様々な計測に適用するための装置改良に取り組んでいる。その一つとして、細胞収縮力とも関連する細胞外因性の張力もしくは引張りひずみを与え、その細胞応答を96ウェルプレートフォーマットで解析することができる装置を作製した。細胞外因性の張力もしくは引張りひずみに対して、細胞が配向変化応答を示すことを確認した。現在、同システムを用いてハイスループットでの薬剤評価のための実験を続けている。このように力学的刺激に対する細胞応答を高い効率のもとで評価を実施できる幾つかの装置および解析アルゴリズムを開発し、それに基づいてメカノミクス解析を行うための実験を継続している。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究を遂行するための複数の新しい装置・システムの開発が順調に進み、細胞実験を行って、実験データを得ることができるようになったため。

今後の研究の推進方策

これまでに作製した装置について多方面から性能評価を行い、システムとしての完成度を高める。また、そのシステムを用いて最終目的である分子スクリーニング実験を行う。

  • 研究成果

    (6件)

すべて 2017 その他

すべて 雑誌論文 (3件) (うち国際共著 1件、 査読あり 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件、 招待講演 1件) 備考 (1件)

  • [雑誌論文] Vinexin family (SORBS) proteins play different roles in stiffness-sensing and contractile force generation2017

    • 著者名/発表者名
      Ichikawa, T., Kita, M., Matsui, T.S., Ichikawa-Nagasato, A., Araki, T., Chiang, S.H., Sezaki, T., Kimura, Y., Ueda, K., Deguchi, S., Saltiel, A.R., Kioka, N.
    • 雑誌名

      Journal of Cell Science

      巻: 130 ページ: 3517-3531

    • DOI

      10.1242/jcs.200691

    • 査読あり / 国際共著
  • [雑誌論文] Cellular force assay detects altered contractility caused by a nephritis-associated mutation in nonmuscle myosin IIA2017

    • 著者名/発表者名
      Fukuda, S.P., Matsui, T.S., Ichikawa, T., Furukawa, T., Kioka, N., Fukushima, S., Deguchi, S.
    • 雑誌名

      Development, Growth & Differentiation

      巻: 59 ページ: 423-433

    • DOI

      10.1111/dgd.12379

    • 査読あり
  • [雑誌論文] New wrinkling substrate assay reveals traction force fields of leader and follower cells undergoing collective migration2017

    • 著者名/発表者名
      Yokoyama, S., Matsui, T.S., Deguchi, S.
    • 雑誌名

      Biochemical and Biophysical Research Communications

      巻: 482 ページ: 975-979

    • DOI

      10.1016/j.bbrc.2016.11.142

    • 査読あり
  • [学会発表] Detecting endogenous forces of cells subjected to mutations and drugs2017

    • 著者名/発表者名
      S. Deguchi
    • 学会等名
      第76回 日本癌学会学術総会
    • 国際学会 / 招待講演
  • [学会発表] Local geometry sensing by individual focal adhesions2017

    • 著者名/発表者名
      Shinji Deguchi, Sho Yokoyama, Tsubasa S. Matsui, Taiki Ohishi
    • 学会等名
      2017 Cellular and Molecular Bioengineering Annual Conference
    • 国際学会
  • [備考] 大阪大学大学院基礎工学研究科・出口研HP

    • URL

      http://mbm.me.es.osaka-u.ac.jp

URL: 

公開日: 2018-12-17  

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