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2016 年度 実施状況報告書

アビジン・ビオチンを利用した微生物への機械部品の接着による高機能性付与

研究課題

研究課題/領域番号 16K12880
研究機関東京電機大学

研究代表者

伊東 明俊  東京電機大学, 工学部, 教授 (50211743)

研究期間 (年度) 2016-04-01 – 2019-03-31
キーワードバクテリア / ミドリムシ / アビジン / ビオチン / 人工物 / 接着 / 光ピンセット
研究実績の概要

研究を開始した初年度として,本年は,光ピンセットを用いてバクテリアやミドリムシ等の小さな微生物を固定・拘束するシステムを,購入したThorlab社の光ピンセットキットを用いて製作を行った.性能を検証する基礎実験において,微生物にビーズを付けてビーズをトラップするのではなく,バクテリアやミドリムシ等の微生物自体を,レーザの光子力により直接トラップすることができることを確認した.もちろん,生物実験で用いられるアビジンをコートしたアビジンビーズのトラップも成功した.しかし,光ピンセットの焦点を,例えば微生物の任意の位置に持ってくるには,ピンセットだけではなく,別系統のマイクロマニピュレータが必要となる.当初用意した機械式のマイクロマニピュレータでは,位置決め精度が粗すぎることが判明し,現在油圧式のマイクロマニピュレータを導入し,微小操作を自在に行えるよう,装置を改良&マニピュレータを発注している段階である.また,微生物へのビオチンコーティングについても,最初はコスモバイオ株式会社のビオチンラベリングキット,NH2およびSHを利用して,バクテリアやミドリムシにコーティングしようとしたが,この場合は????という溶剤の使用が必要となり,この溶剤が微生物に毒性を持つので,現状で微生物が生きた状態でアビジンビーズを付着させることには成功していない.溶剤を使わないタイプのSulfosuccinimidyl 3[[2-(Biotinamido) ethil]dithio]propinate Sodium Saltを入手して,現在,生きた微生物へのビオチンコートの基礎技術の条件出しの最中である.この技術の確立が,目的とする微生物と人工物を合体させる基本となるため,きっちり条件出しを行いたい.その上で,本来の目的である微生物を動力源とした人工構造物を,様々な形で試作したいと考えている.

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

本来の計画では,光ピンセットと,過去から保有していた機械式マイクロマニピュレータを組み合わせて,拘束した微生物に所定の位置にアビジンビーズを接着し,それをベースに微生物を動力源とした人工システムを作製していく予定でいたが,上述のように現有のマイクロマニピュレータの動作が粗すぎることが判明したことが,遅れの最大の要因である.油圧マイクロマニピュレータの導入後,一気に挽回したい.また,当初購入したビオチンラベリングキットが,微生物に毒性を持つ溶剤を使うものであったのも誤算であった.これについても,回避する方法が使えるようになり次第,挽回できると考えている.

今後の研究の推進方策

上述の問題が解決し次第,反対方向に交差して向かい合ったミドリムシやバクテリアの間にアビジンビーズを接着し,アビジンビーズを光ピンセットで支えることで,アビジンビーズを支点に,ミドリムシの遊泳に伴う動力で高速回転するような微生物ローターの作製を検討したい.

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公開日: 2018-01-16  

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