本助成期間では、細胞核を優位に接着可能なナノリン酸カルシウムを強固に固定したNano-CaP/高分子膜のプロトタイプの創成に成功した。さらに、同高分子膜上で細胞核に伸展刺激を付与可能である事を確認した。これらの結果を基に本計画が発展し、細胞核の変形に伴う力学刺激特異的バイオマーカーの同定がなされた暁には、生体内で力学刺激を受けている細胞の存在位置や、その応力を受けている程度を定量的に明示することが可能なる。これらの知見は、骨軟骨系の応力受容メカニズムの解明に加え、他の力学刺激が関わる医療分野の研究にも影響を与え、メカノバイオロジーや再生医療等への貢献が期待できると予想される。
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