研究課題/領域番号 |
16K12886
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研究機関 | 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 |
研究代表者 |
山谷 泰賀 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構, 放射線医学総合研究所 計測・線量評価部, チームリーダー(定常) (40392245)
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研究分担者 |
金子 純一 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (90333624)
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研究期間 (年度) |
2016-04-01 – 2018-03-31
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キーワード | 医用画像 / バイオイメージング / 核医学 / 細胞イメージング |
研究実績の概要 |
患者由来の人工多能性幹細胞(iPS細胞)から成熟細胞へ分化させて病態をモデル化し、治療法開発・創薬とつなげる研究が注目されている。しかし、この病態再現ヒト細胞の様々な注目分子動態を、定量的に評価する方法はまだ確立していない。そこで、非侵襲的分子イメージング法である核医学診断法を応用した「マイクロRI動態イメージング」へ挑戦する。核医学診断法の解像度はmmオーダーが原理的限界であるのに対して、細胞単位の解析に必要な10ミクロンオーダーの解像度をどのように達成するかが挑戦のポイントである。具体的には、シンチレータによるβ線トラック計測を基本として、①レンズ無し撮像のContact Image Sensing、②超薄膜シンチレータ開発、③β線トラック画像処理の3つへ挑戦し、提案システムのコンセプト実証を目指す。 薄膜シンチレータの上にRI標識の生細胞を直接乗せて、薄膜シンチレータの下に光学レンズを介することなくCMOS撮像センサーを結合する方法に挑戦する。具体的には、薄膜シンチレータ内でのβ線トラックを撮像し、画像処理することによって、もとのRIトレーサーの分布および時間変化を画像化する。 平成28年度は、(1)超薄膜・高蛍光出力シンチレータとしてCsI+ファイバーオプティクスプレートを採用し、(2)CMOSカメラをレンズ系と用いて接合した試作システムを開発した。そして、18F-FDG薬剤のファントム撮像を行い、サンプルの分解能と感度の点で実現可能性を確認した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね、計画通り進捗している。一部物品購入については、シミュレーションおよびプレ実験による仕様確定の時期が多少遅れてしまったため、平成28年度中の物品購入をあきらめて、平成29年度中に購入することとした。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画どおりの推進を予定している。
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次年度使用額が生じた理由 |
一部の物品購入(シンチレータおよびレンズ)については、シミュレーションおよびプレ実験による仕様確定の時期が多少遅れてしまった。そのため、平成28年度中の物品購入を取りやめ、平成29年度に購入することとした。
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次年度使用額の使用計画 |
上記のシンチレータおよびレンズの購入を平成29年9月までに完了する予定である。
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