我々の目的は人工転写因子により遺伝子発現を制御し、弓矢リプログラミング法により臨床応用可能な心筋細胞の分化誘導を行うことである。SOX2の結合阻害を狙ったピロールイミダゾールポリアミド(PIP)はiPS細胞において中胚葉分化を促進し、さらにWntシグナル阻害剤との併用により拍動心筋細胞が得られた。また心筋細胞には多くのミトコンドリアが含まれていることから、ミトコンドリア標的PIPを開発した。さらに特定のタンパクドメインに結合できる化合物をPIPに導入することで、塩基配列依存的な遺伝転写活性化剤を報告した。これらはナノ粒子を用いた人工転写因子に応用することで、更なる機能向上が期待される。
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