Zn2+配位型エチル化ポリビニルイミダゾール(PVIm-Et)によるZn2+の血清存在下での肝細胞内送達を試みると、肝癌細胞株(HepG2)へのZn2+の取り込み量を向上させた。さらに、Zn2+配位型PVIm-Etは、最も効果的にZn2+によるpDNAの遺伝子発現上方制御が示されたため、Zn2+配位型PVIm-Et核酸複合体を、HepG2細胞に取り込ませると、培養上清中のインスリン残量の向上が認められた。従って、HepG2細胞によるインスリンの分解抑制に成功した。以上より、肝臓におけるインスリンの分解を抑制することによりその血中濃度を高める革新的な治療法を確立するための有望なデータを得た。
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